花びら染め


徹子の部屋」に花びら染めの作家・中川善子さんが出ていた。徹子さんが着ていたのは夢みたいに綺麗な桜色。これは10キロもの桜の花びらで染めたのだそうだ。


 花が散る直前に出かけて散ったものをかき集めるそうだ。1年では集めきれない。だからそれを発酵させて取っておいて、3年分くらいで1枚の着物が染め上がる。気の遠くなる話だ。発酵させるなんてまるで料理だ。それも超スローフードだ。


 そもそも草木染というのはあるが、花びらで染物は出来ないと言うのが常識だったらしい。それを中川さんは昔の書物にヒントをえて花びら染を完成させた。画面で見る限り普通の女性なのに、すごい人だと思う。


 今は良い染料があるから何も苦労して花びらから染めなくても・・・、とも思えるけれど。しかし微妙な色合いは自然のものに勝るものは無いはずだ。色自体の味わいに加え、心の豊かさまで感じられる。


 昆布とかつおぶしでゆっくり取った出汁に通じる深い味わいがある。


 写真は去年撮ったサクラ。これはパソコンで保存しておいただけだが、1枚の着物のために3年もかけで花びらを集める、すごい根気だ。