『華氏911』を見た

fukurouribon2004-09-10

 映画『華氏911』(監督・脚本マイケル・ムーア}を見た。ブッシュ大統領の長い夏休みが映されたあと、画面は数十秒真っ暗になった。飛行機の轟音、衝突し、破壊され、人々の悲鳴・・・、内蔵を揺さぶるような音だけが続いた。私たちは黒い画面の向こうに,記憶の中の、あの飛行機がビルにつっこみ、人々が逃げまどう映像をドーッと見ていた。そしてよくこんな映像があったものだと思うような場面やニュースで見たようなものまで、いろいろな現実が目の前で繰り広げられた。


 2時間ちっとの映画を見終わったとき、一緒に行った夫とほとんど無言で劇場を出た。面白かったとか感動したとか、そういう形容詞がすぐには見つからなかった。それどころか自分の中で、今見た映画の場面がグルグル回っていた。


 政治と戦争とビジネスと、その中にいる政治家の脳天気な顔。イラクに送られた貧しい米兵たち、理不尽に殺傷され続けるイラクの善良な国民たち。どんな理由があっても戦争だけは許してはいけない。


 人間にはだれでも楽しく幸せに暮らす権利がある。間違った世の中へ進むのをくい止める力になるのは、ちっぽけでも平和を願う個人個人の気持ちの結集なのだろう。
 私もその1個人として何が出来るのか、考え続けたいと思う。