圧力は国際協調で

 北朝鮮が渡した拉致被害者にかかわる物証や関係者の証言のなかに、北朝鮮の主張を裏付けるものは何もなかった。

 これは金正日総書記が約束した「白紙からの再調査」とは言えない。真相の究明と生存者の帰国に誠意ある対応がなければ、厳しい態度をとらざるを得ない。

 先の日朝協議を踏まえた小泉政権のそんな対処方針がまとまり、納得できる再調査を北朝鮮に対してあらためて強く迫ることになった。

 横田めぐみさんの「遺骨」とされた骨が別人のものと判明して以来、北朝鮮に対する経済制裁論は一段と高まった。

 本社世論調査でも、経済制裁への賛成が63%で反対は25%だ。北朝鮮の不誠実な姿勢に、いても立ってもいられない被害者家族に対する共感でもあろう。

 だが、政府方針は北朝鮮にみずからの責任で早期に回答するよう要求するものの、期限を切って回答がなければ経済制裁を構えることは見送った。


          (今日の朝日新聞より)




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