バツが悪い
10月になっても暑いくらいの日もありますが、朝晩はぐっと気温が下がってきました。だから服装もすっかり秋めいてきました。
電車に乗っていたときのこと、一人の女性がつり革につかまって立ちました。別珍のジャケットに細身のパンツ、私より少し年上に思われました。
ベージュの別珍のジャケット・・・、そこに目が行きました。
私のと色違いで同じジャケットでした。
(今日、着てこなくて良かったわ。)
OLのころ、通勤電車に乗っていました。駅に着きました。ホームには人が溢れ、またこの混んだ電車にたくさんの人が乗り込んできます。つり革につかまっていた私の目の前、窓の向こう側のホームにオレンジ色のサマーセーターの女性が立っていました。
その日の私は、全く同じオレンジ色のサマーセーターだったのです。胸元にひし形が横に3つ並んだ文様です。私は痩せていたので縦長のひし形でした。
ホームの女性はグラマーで、横長のひし形でした。
向こうの人はこちらに気がつかず、ほっとした覚えがあります。
大学1年のスキー実習に出かける前日、友達の家に泊めてもらいました。スキーは初めてで、スキー、スキー靴、ストックなどすべて揃えて、そして真新しい白いウェアの上着を着て、重い荷物を持っていきました。
そのときに友達の表情からは気がつきませんでしたが、きっとイヤな気持ちだったのだろうと思います。
冬のソナタでもありましたけど、ペ・ヨンジュン演じるミニョンの当時の恋人・チェリンが、ユジン役のチェ・ジウにパーティーにはこれを着ていくようにと1枚のドレスを選びます。パーティー会場でそのドレスを着たユジン、ミニョンのいるところで全く同じドレスを着たチェリンが現れます。チェリンは(ミニョンがユジンを酷い奴だと思わせるために、自分で仕組んだことだけれど)、ユジンに意地悪をされたと泣いて会場を飛び出したのではなかったかしら。
その友達はせっかく親切に1夜の宿を提供してあげたのに、何という仕打ちと思ったかもしれません。
その夜、彼女は気まずそうに、荷物の中からウェアを引っ張り出して言いました。
「私のウェア、コレなの・・・」、色の形も全く同じものでした。
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