【社説】 崩れた大儀  首相は平気なのか

 イラクへの侵攻にあたり、米英両国の首脳が掲げた戦争の大義に根拠がなかったことが決定的となった。
 英国の独立委員会が開戦から1年4カ月の調査を踏まえて報告書を発表し、旧フセイン政権は「配備可能な生物化学兵器保有しておらず、使用する計画もなかった」と結論づけたのだ。
 「悪意はなかったとはいえ、報告が指摘したあらゆる誤りの責任を負う」。ブレア氏はそう述べて非を認めた。報告書の発表前に辞意を漏らし、閣僚たちに止められたと英BBCは報じている。
 米国でも、上院の特別委員会が中央情報局の情報は大半が誤りだったとする報告書を出したばかりだ。大量破壊兵器の存在はおろか、その開発計画、ブッシュ大統領が強調していたフセイン政権とアルカイダとの結びつきまで否定した。

             (今日の朝日新聞より)







本館です http://fukurouribon.hp.infoseek.co.jp