「米国を悪く言うとイラクの子が死ぬ」  高遠さん、拘束中の心中吐露

 アメリカが悪いと私が憤れば、イラク人はそうだと怒って報復に走る。そして若者が子どもが死んでいく。解決の糸口は何も見えないんです」。イラク武装勢力の人質となった高遠菜穂子さん(34)は22日夜、東京都内の集会で語った。
 拘束中も武装勢力のメンバーらに「米国を憎むな。米国の悪口を言わないで。誇り高い民族なら、もっと建設的なことをしてほしい」と訴え続けたという。
 最近、ファルージャの友人からのメールに、武装グループの一人が高遠さんの言ったことを理解し、仲間を説得してファルージャの再建に自分たちの手で取り組み始めたことが書かれていた。空爆で破壊された5校の学校の再建が最初の仕事になる。
 解放後に「自己責任論」などの非難などが続いた中、このメールは高遠さんにとって「最高の励まし」だったという。「人道支援とは相手と協力していくこと。今こそそれをしていきたい」