雨が降っていた。傘をさしてスパーへ急いでいた。少し先を制服を着た女子高生が、うつむきかげんにノロノロ歩いていた。
ケイタイでメールでも打っているのだろう。なにも雨の中、歩きながらしなくてもよさそうなのになあ。そう思いながら女の子を追い越した。
するとビックリした。ケイタイをやっていたのでなく、文庫本を読んでいた。本くらい読んだって不思議はないのだけれど、家に帰るまで待ちきれなくて読んでいるのだろうか。道路上や電車内で見かける高校生は化粧をしていたりケイタイをいじっていたりだから、文庫本読んでる女子高生は何とも新鮮だった。
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