ツボの位置、日中韓で差


 ツボの位置は、日中韓で微妙にずれていた――。マッサージやはりなどの治療で使われる361のツボのうち、約4分の1が食い違っており、今夏までに国際的に統一されることになった。約2千年前に中国で生まれ、各国で独自に試行錯誤を重ねたためのずれ。欧米で東洋医学が普及し始めたため混乱を防ごうと、専門家たちが統一案をまとめ、06年に世界保健機関(WHO)の認定を目指す。しかし、「これまでの治療はツボを得ていなかったのか」との反発も予想され、関係者は気をもんでいる。

 
 違いが大きいのは、動悸(どうき)などに効くという〓門(げきもん)(〓は左がメのしたにナム、右はおおざと)と、首が回りにくい時に効くという四■(しとく)(■はさんずい、士のしたに買)。


 日本と韓国はひじから手首まで(前腕部)を10等分し、その長さを1寸と決め、位置の基準にしている。〓門は、手のひら側の手首から5寸のところ、四■を手の甲側のひじから5寸のところにしていた。

 しかし中国では、〓門は手首から5寸、四■はひじから5寸と位置の設定は同じだが、1寸をひじから手首までを12等分した長さにしていたため、ずれが生じた。これらは中国流に統一される。

 肝機能を高めるとされる期門もずれが大きい。日本では第9肋軟骨(ろくなんこつ)の下側とされているが、中国と韓国は第6と第7肋軟骨の間となっており、これも中国流で合意された。


 ツボは現在では千近くに増え、名称や位置にも諸説ができていた。そのため、89年の専門家による協議をへてWHOが古典的な365カ所のうち361カ所の名称を統一、認定した。しかし位置のずれについては各国の合意を得られなかった。



         (今日の朝日新聞より)




      ++++++++++++++

          「私の時間」 http://fukurouribon.hp.infoseek.co.jp