子宮は取らない

 五月の半ばすぎの人間ドック、その検査途中で言われてしまった。
「これは手術だ、大学病院を紹介するから何処がいい?」


 エッ??? 子宮筋腫があることは分かっていたから何か言われるだろうし、治療もしなくてはならないだろう、覚悟はしていた。しかし「手術」と言われて大いに焦った。すぐには何と答えていいのやら・・・。


 「あのう・・・、手術って筋腫だけ取ってもらえますよね?????」筋腫は子宮ごと摘出してしまうということは聞いたことあったので、この先生に「大丈夫ですよ」と言って欲しかった。しかし、答えは


 「どこへ行っても子宮全摘でしょう。どの病院にする?」

 「全摘なんて・・・、なにか方法は無いのですか?」

 「子宮はもういらないし、取っても問題ないですよ」



 とにかく大学病院に行くことだけは決心した。紹介された病院名も上の空だったのだろう。インターネットで場所と電話番号を確認して、初診の確認に病院へ電話をした。しかし実は違う病院に行こうとしていた。病院に行く直前に紹介状を念のため確認して間違いに気がついた。落ち着いているつもりだったけれど、結構動揺していたのかもしれない。



 大学病院では随分待たされて、呼ばれた部屋が『5診』(誤診? じゃあなくて第5診察室だったけど)。先生は30代半ば、大丈夫かな、こんなに若くて、と思った。

 その先生、とりあえずA先生は紹介状を見て、患者の話を聞く。私は
「インターネットで見たのですが、筋腫だけを切除する方法があると書いてありました。私も子宮は残して欲しいのです。」


 彼は私の気持ちを理解しているのかいないのか、しかし子宮を取るとは言わなかった。
「では検査の日程を入れます」と翌週に決定。
「だけど貧血があると手術は・・・」
「輸血されると困ります!」と私。
「では毎日注射に来れますか」
「もちろん来ます」


 翌週の検査を担当した若い別の医師は
「筋腫だけを取っても根が残っていると再発するし、こういう場合普通は全部取ります。その方がいいですよ。子宮を取っても卵巣が残っていればホルモン的には全く関係ないし・・・」



 次の外来の予約の日、A先生は検査結果とその朝の血液検査で貧血の状態を見て、
「では一週間後、手術をしましょう」

「ちょ、ちょっと待ってください。」(そんな、突然、この先生は何を言っているの?まだ貧血だっは改善されてはいないし)


 手術は予約を入れると10月なのだそうだ。しかし直前にアキがあったらそこに入ることができる。一週間後がダメなら次はいつになるか分からないという口ぶり。だけど来週は早すぎる。なんたって手術をするかどうか決心もしてはいないのだ。



 とにかく万が一、手術も可能なように、毎日貧血の注射に通った。そして『子宮は取らない』という気持ちと、このまま何もしないで何とかなるかも・・・、といういつもの楽観主義が大きくなってった。



                        (ちょっと疲れたので) つづく


(筋腫だけを切除する手術を受けた記録です。こんな経験もどなたかの参考になればと思います)    



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