そういう星の元に生まれた?

 遊びに行くと言っていたのに半年たってやっと実行できた。小・中学の同級生が何を思ったのか居酒屋を始めたというのだ。

 そもそも彼女にはいつも驚かされる。家族揃って仲良く遊びに来た1週間後に離婚したり、その後建築の資格を取ったり、あるいは相手を確認しないと旦那さんがいつの間にか変わっていたりする。とにかく久しぶりに電話で話すと、しばらく説明をされないと彼女の近況が理解できない。私の近況は説明するまでもないくらい、同じ夫とそこそこ仲良く暮らしている、ってことくらい。

 義務教育まで同じ学校で過ごした彼女と私。あれから30年近く時間が経つと、なんと違う経験をしていることだろう。

 彼女が言うには、「自分は確かに行動力はある。それとは関係なくいつも他人が自分の人生に知らぬ間に関わってくる、そういう星の元に生まれた」。複数の結婚相手も、数々のボーイフレンドも、数回にわたる転職も、今回の居酒屋の話も、自分からでなくいつも向こうからやって来る。

 私はといえば、仕事は必死で探してやっと見つけ、夫とだってよく出会えたものだと思う。いつだって転がってくるような美味しい話なんか無かった。

 彼女はこれからも人生派手に忙しく暮らしていくのだろう。こっちは夫と地味に過ごしていく。人それぞれ、その人にふさわしい生き方を自然と選んでいるのだろう。

 ところで居酒屋の方は、飲酒運転の取締りが厳しくなってお客が3分の1になったそうだ。もう店をやめるかもしれないという。



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