「徒然」背が高い

 今日は東京マラソンだ。だけどあいにくの雨、一時は音をたてて降っていた。おびただしい数のランナーが走っているけれど、背が高くて足が長い人も小柄な人も同じ42.195キロを走っている。どう考えたって背が高い人が得だ。絶対足を動かす回数が少ないから疲れ方も違う。でも結果がそうならないのは面白い。


 昔、友達に身長が195センチくらいもある人がいた。あだ名は見たままのジャンボ。私はといえば、身長は高からず、高からず、良く言えば小柄。ジャンボは私のことを『蝿さん』と呼んだ。あのブンブン飛ぶハエだ。小さいからだと言っていた。それならリスさんでも良さそうなのに。


 彼には私がそんなに小さく見えたのだろうか。並べば私は彼の脇の下くらいだったのかなあ。呼ばれるとたしかに2階からの声に聞こえた。見える風景もかなり違っていたのだろう。高い所の物が簡単に取れるだけでなく、メリットや可能性など、小柄には計り知れないものがありそうだった。


 先日、西日に向かって歩いていた。向かいから歩いてくる人はまぶしいし、後光がさしているようではっきり見えなかった。しかし歩いてくる人はマッチ棒みたいに細長かった。だんだん近づき、とてつもなく背が高そうな人だと分かった。顔が小さくて8頭身どころではない。10頭身くらいに思えた。


 ワッ、背が高い。私は脇の下に入りそう・・・。すれ違った瞬間にそう思った。そして彼はなんと、ランドセルを背負っていた。




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