マイナスするということ
たとえば家のなかのあれやこれやの物。好きなものだけ残してスッキリしたい。衣服も同じ、もう着ないものは処分して、小奇麗でセンスのよいものだけにしたい。食べ物だって、こってり味付けをしたものでなくて素材を生かしたシンプルな料理を楽しみたい。
身の回りから余計なものをマイナスする生活に憧れる。それは人生もだいぶ長くやっているからなのだろうか?多分若い人はアレもやりたい、コレも食べたい、と未知の世界への興味が尽きずにどんどん生活にプラスしていく。
では私はやりたい事も着たいものも、食べたいものも、全部経験済みだからもう卒業なの?
とんでもない。若いときから、大人しく慎ましく生きてきて知らない世界ばかりだ。
年齢を重ねると背伸びをして遠くを見続けることより、身の回りを眺め回すことに興味が沸いてくるものなのかもしれない。そして少しだけ悟りの境地に足を踏み込みたいような心もある。
しかし、である。現実には物は捨てられずに家の中に溢れ、美味しそうなものを見るとつい食べたくなる。あれだってこれだって欲しい。悟りにはほどほど遠い。なかなかマイナスするのは難しい。
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