落語会のオチは

fukurouribon2007-12-03

 ある催しで落語を聴いてきました。三遊亭金馬師匠とそのお弟子さん。お弟子さんも上手でしたが、金馬師匠の芸は一流です。十分笑わせてもらいました。

 金馬さんは子供のころからテレビで見ていたので、もうずいぶんお歳がいっているだろうなと思いました。するとこちらの気持ちを見透かすように「もうおいくつになられましたか」とよく聞かれるといってました。たしか78歳だったかしら。

「でも歳をとるのはなかなか良いものですよ、毎日が新鮮だ」と言うのです。70代になってもそう思えるのは素敵だなと感じました。

「明日、何が起こるか分からないから新鮮」。脚が痛くなるか、腰にくるのか、どんな不調が起こるのか明日は分からない、のだそうです。

 顔の表情、話の間、つい笑ってしまいます。そして笑う自分が、ソレ(身体がだんだん思うようにならなくなっていくこと)、なんとなく想像が出来るなぁという共感を込めた笑だったことに苦笑してしまいました。

 NHKの朝ドラは女の子が落語家になる話。朝見ているのですが、今、放送されているのは、主人公がやっと弟子入りを認められ、初高座に上がろうとしているところです。新人落語家さんが金馬さんみたいな芸が出来るようになるには大変なのだろうと、テレビと重ね合わせました

 金馬師匠の噺がやっと落語になってきました。しかし演目が何処にも書かれていないので何の噺か分かりません。

その噺というのは

『いつも知ったかぶりをする男をとっちめようと、珍しい食べ物をたべさせようとするのです。腐った豆腐に七味唐辛子や塩辛を混ぜて瓶に詰めておきます。』

 エエ〜〜〜、どこかで聞いた噺だ。もしかして・・・・・・。

『どうだいこのちりとてちん、あまりに珍しいので食べ方が分からない。食べて見せてはもらえまいか』

『毎日食べていたからお安いごようだ。』

 しかし腐った豆腐だから知ったかぶり男も食べるのに四苦八苦、その複雑な顔といったらないのです。さずが金馬さん、そのおかしいこと。見ているほうもおもわず顔をしかめます。

 そう朝の連ドラのタイトルは「ちりとてちん」。主人公が初高座でするように与えられた演目だったのです。

 あ〜〜〜、朝の「ちりとてちん」ね、と多くが思っていたことでしょう。この落語会に演目が伏せられていたのはこういうオチのためだったのです。それではお次がよろしいようで・・・。






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