元少年の刑

 山口県光市の母子殺害事件、元少年(27)に対し、広島高裁は無期懲役とした一審・山口地裁判決を破棄し、死刑の判決を言い渡しました。

 一般的な死刑とという刑、そのものには賛成しかねます。しかしこの裁判が途中から死刑を回避させるための弁護をが展開され始めて、それもちょっと変だなぁと感じていたのです。

 問題は刑より前に、被告が真に反省し深く謝罪する心になったかどうかだと思うのです。そうでなければ被害者は(もちろん一生心の傷は癒えないでしょうが)、さらには加害者も救われないのではないでしょうか。

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 先日「心にナイフをしのばせて」(奥野 修司著)を読みました。30年以上も前、横浜の高校で入学して間もない男子生徒が、同級生に首を切り落とされ殺害されたという悲惨な事件のルポです。

 主に被害者家族について書かれていますが、いかに事件がその後の人生を狂わせたか、想像をはるかに超えていました。

 そして加害者の元少年少年法に守られ立派に社会で生活をしていました。

 不公平だけどそれは良かったです、もしきちんと反省し謝罪し心が更生していれば。

 でも元少年側はそうではなさそうです。親は慰謝料の払いも中途半端、少年自身は名前を変えて町の名士となってからも謝罪の心さえ無いようです。

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 実は大学生のとき、フォークダンスをしていたときか、キャンプファイヤーをしていたときだったか、突然ひとりの男子学生が、この横浜の事件の加害者の少年と高校の寮で同室だったと言いました。

 私も今だったら「それで、それで????」といろいろ聞いたのでしょうが、たぶん怖くなって何も聞けなかったのだと思います。その後の記憶が全然無いのです。

 でもその同室だった男子学生もそのことでなにかしらのトラウマを心にかかえていたかもしれないなぁと、今頃思いました。なにしろ上記のルポでは被害者家族だけでなくその関係者、例えば同級生とかも未だに心に傷を抱えているということでしたから。

 





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