スタンプラリー落合ほたる

 年に数回しか着ないとはいえ、着物を着ることに興味をもっている。感心が高くなればアンテナがピピッと働くものなのか、「落合ほたる」というスタンプラリーのことを知った。

 東京の新宿に落合というところがあるのだが、そこは「染めのまち」なのだそうだ。その伝統産業をもっと知ってもらおうと若手の後継者たちが始めたイベントだ。

 4つのスタンプを集めたらお土産がもらえる。なんだ4つか、チョロイじゃん。

 しかし、面白くてみっちり4時間以上もかかってしまった。

 落合のまちはその日、着物姿の人でいっぱいだった。聞いてみると着付け教室や染色教室の着物関係や、お茶、お花などの習い事をしている人が多かったようだ。着物は着る機会がほとんど無いとはいえ、着る機会を求めている人たちも意外に多いことに驚かされた。ちなみに私はGパンにスニーカーといういつもの格好だ。

 「落合ほたる」というブランドの新作発表もされていたが、シックでお洒落でとても素敵だった。半分は目の毒と思いながら見ていたのだけれど、見る機会を増やして目も肥やさなくていけないなと思った。

 興味深くとても楽しい1日だった。お土産は手ぬぐい。


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落合ほたるについて

 スタンプラリーで見たのは、江戸小紋に手書き友禅、更紗などが出来るところ、またしわなどを伸ばす湯のし、その各工房。江戸小紋は細かい文様の型を作るところ、染めて蒸し揚げる工程までが見られたし、友禅も実際に下書きして色づける作業も間近で見学できた。

 落合はかぐや姫で有名な「神田川」と「妙正寺川」が落ち合う場所という意味だそうで、綺麗な水を求めて蛍が沢山集まる、江戸時代の観光スポットだったそうだ。そして浮世絵「落合ほたる」には蛍狩りの人々が描かれている。

 その蛍のように明治、大正にかけ綺麗な水を求めて、染色工房が集まり、いまでも着物の一大産地なのだという。

 そして驚いたことに、昭和30年代半ばまで、妙正寺川に竿をたて反物が水にさらされていたという説明があった。今では護岸工事がなされその面影はない。

 
 

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          「私の時間」 http://fukurouribon.hp.infoseek.co.jp